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シスキュア デコルア 開発経緯
タマリスは、1949年に創業して以来、独特な頭髪用化粧品を生み出してきました。
なかでも、1974年に発売のシステインを有効成分とした世界で初めてのパーマ液「シスカール」は、美容業界の常識を覆すものでした。
その後、シスカールΣ、SPEX、シスキュアなどシステインを主とした様々な商品を提案し続け、今日を迎えます。
しかし、サロン技術メニューの主力であった「パーマ」は、1990年代前半を境にその主役をカラーに奪われる状況となっています。
またそれに伴い、美容業界におけるパーマ液の使用量も右肩下がりとなっています。
では、パーマはこのまま衰退していくのでしょうか!?
そのようなことは決してありません!!
この様に言い切れるのは、今日の美容界の状況においても、高パーマ利用者数のサロンが多数見られるからです。
そこで、システインの良さを改めて訴求し、美容業界におけるパーマブームを再燃させるべく新たなアイテムを提案します。
それがユニバーサルデザイン*の考え方を基に生まれた「シスキュア デコルア」です。
市場の現状と分析
美容業界の現状においても高パーマ利用者数を保つサロンには、秘訣(独特の取り組み)があります。
そのポイントは「お客様の心理をしっかり汲み取ってアプローチしている」と言うことです。
では、お客様の心理とは?
パーマに関する意識調査を実施するなど、お客様の心理を徹底的に分析した結果、「パーマをしている人」と「していない人」の意識のなかに大きなギャップがあることが判りました。
パーマ利用状況
はじめに、サロンにおけるお客様のパーマ利用状況とその理由を聞きました。
以上のようにパーマを利用してる人は年々減少傾向にあります。
逆にパーマを利用したことがない人が増加傾向にあります。
ほぼ半数の人が、お手入れのしやすさを求めてパーマを利用していることが判りました。
以上の結果より、パーマ施術(スタイル) = お手入れのしやすさへの期待(実感)
また、パーマを施術後「お手入れがしやすい」ことを実感した人は、繰り返しパーマを利用していると推察されます。
つまり、パーマ利用者は
- 「持ちの良いパーマ(お手入れのしやすい期間が長くなるパーマ)」
- 「繰り返し利用しても傷みが少ないパーマ」
を求めています。
一方、パーマを利用していない理由は何でしょうか?
それはパーマによるダメージだけでなく、カラー施術、ブリーチ、熱アイロンなど、毛髪に与えるダメージの要因が多様化しているからと言えます。
(既にダメージを受けているから = パーマをかけたくない)
また、パーマ施術(スタイル) = 「お手入れが大変」と感じる人も多く、パーマ利用者との大きなギャップがあることが判りました。
これらの問題(ネガティブなイメージ)を打開するには、
- 「ダメージ毛への対応、施術時間の短縮、かかりやすさ」を考慮した薬剤
- 「お手入れが大変」なのではなく、「お手入れがしやすい」という説明
が必要です。
お手入れに対する意識調査
お手入れのしやすさへの見解が「パーマを利用している人」と「利用していない人」では大きく違うことが先の調査で判りました。
では、女性は日常のお手入れに関してどのような認識を持っているのでしょうか?
つまり、多くの女性はヘアケアのお手入れに時短を求めています。
パーマ利用者は、
「パーマ」 ➡ 「髪の悩みを解消」 ➡ 「お手入れのしやすさ」 ➡ 「時短」
と繋がっていますが、パーマを利用していない人は
「パーマ」 ➡ 「お手入れが大変」 ➡ 「時間がかかる」
と「時短」とは逆のイメージを持っています。
つまり、パーマを利用していない人には、「パーマ」 ➡➡ 「時短」を説明することが必要です。
髪の悩みとは?
髪の悩みに対するアプローチがお手入れのしやすさ(時短)に繋がるのであれば、髪の悩みを分析し、解消するための手段を検討しなくてはいけません。
髪の悩み(特に生えグセ)はデザインにも大きく影響を与えます。
これらは、サロン技術であるパーマ(ウェーブ・ストレート・縮毛矯正)を用いることで解消できます。
逆に言えば、パーマ施術でなければ解消できない悩みが多数あります。
パーマは、カラーと違いサロンでしか出来ない美容技術です。
髪の悩みへの対応状況
髪の悩みを解消するために、サロンユーザーはサロンで相談しているのでしょうか?
つまり、「髪のお悩みはパーマで解決できる」と言うことや「お手入れのしやすさ」に繋がることが、サロンからお客様に伝わっているものと考えられます。
髪のお悩みをサロンに伝えていない理由の一位である「美容師にお任せ」と言ったサロンへの信頼感に対し、その反対の「サロンスキルへの不信感」を意味する内容も少ないはないようです。
「サロンにお任せ」しているの現状に対し、サロンでは「パーマ提案」または「デザイン提案」をしているのでしょうか?
また、今後、パーマを利用し続けますか? 利用してみたいですか?
同じようにパーマを継続する人やパーマに魅力を感じている人も年々減少しています。
パーマ施術は「お悩み解決の有効的な手段」であるため、パーマを勧められていない人や利用しない人のお悩み解消は、より困難な課題であると言えます。
また、美容師からの提案によりヘアスタイル変更をしましたか? さらに、そのスタイルに満足していますか?
また、年度の傾向もありません。
これにより、提案率の低さが目立つ結果となっています。
デザイン提案の手段としてパーマを手軽に活用できれば、パーマ利用者はもっと増えるのではいでしょうか?
パーマ利用者を増やすためには?
現状のパーマ利用者の減少を招いている原因を以上の結果より解析すると、そのポイントは
- 「現代の毛髪(ダメージ)にてきした薬剤が少ない」
- 「お客様への提案の仕方」
ということが判りました。
- 「デザイン提案やお悩み解消の手段の一つがパーマであること」
- 「自宅でのお手入れ方法、ケアアイテム」
を説明することが重要。
優しさと効力の両立 / ハイブリッド処方
お客様の様々な悩みの解消といったシスキュアのコンセプトをそのままに、技術者がよりデコレート(デザイン)しやすくするためのラインナップとして『システインの良さを最大限に活かしたハイブリッド処方』を開発。
それが「シスキュア デコルア」です。
配合システインの特徴
システインパーマ液が髪に優しいことは周知の通りです。
シスキュア デコルアではシステインパーマの良さをさらに追及し、種々のダメージ毛に対応させるため、3種のシステインを配合しています。
システインの補修作用図
シスチンは毛髪を形成するケラチンタンパクの中に最も多く含まれるアミノ酸です。システインは、毛髪の内部でシスチンに変化し毛髪に弾力を与えます。
アセチルシステインの補修作用図
アセチルシステインは保湿性に優れたシステイン誘導体です。作用時にSS結合を補給するだけではなく、毛髪の保水性を高めます。
グアニルシステインの補修作用図
3番目のシステインとして、グアニルシステインを配合しています。※デコルア C – 5.5を除く
カチオン性のグアニルシステインはダメージ部分に吸着しやすく、弱った髪のハリ・コシをしっかりサポートします。
システインとシステアミンのシナジー効果
各還元剤はpHの上昇に比例して、毛髪への影響が強くなります(ダメージが大きくなります)。
中でもシステインは、その影響力が低い(髪に優しい還元剤である)ということが判ります。
それは、システインが還元剤の中で唯一、髪の内部にシスチンを補給することができるからです。
先のテスト結果と同じく、ウェーブ効率も各還元剤のpHの上昇に比例して高くなります。
その中でもシステアミンは、最も高い効率であることが判ります。
それは、システアミンが髪の内部まで浸透しやすいからです(分子量が小さいため)。
還元剤としてのシステインとシステアミンの良さは先の結果の通りです。
次に「互いの短所をカバーし合い長所を活かす」ことを考えたとき、そのポイントとなるのは、どのような毛髪にどのような使い方をするかと言うことになります。
度重なる実験結果およびサロンテストの結果、各使用場面における最高のパフォーマンスを示す還元剤の組み合わせ(比率)、アルカリ度、pH値が見つかりました。
これを「シナジーポイント」と言います。
シスキュア デコルア 1液(10アイテム)は、それぞれの目的に応じたシナジーポーイントで処方しています。
使いやすさ、柔らかさの秘密
復活の木
アフリカ・ナミブ砂漠の岩場に自生しているミロタムヌスは、50cm程度の低木で枝先に葉がついています。
乾季になると葉は乾燥し、一見枯れているように見えますが、雨が降ると数時間で青々とした緑の葉に戻ります。
このことからミロタムヌスは「復活の木」と呼ばれています。
このミロタムヌスの葉には、グリセリルグルコシドという成分が含まれており、乾燥状態から復活する役割の一部を担っています。
グリセリルグルコシドの復元効果は化粧品分野で注目され、現代ではスキンケア製品の保湿成分として多用されるに至っています。
シスキュア デコルアは、このグリセリルグルコシドを配合し、アセチルシステインとの相乗作用により毛髪の保水効果を高め、毛髪に柔軟性を与えています。
- 基準毛 : ブリーチ3回処理毛
- 処理毛① : ブリーチ3回処理後、シスキュア 1Nを3回処理
- 処理毛② : ブリーチ3回処理後、シスキュア デコルア C -1.0を3回処理
この保水効果(グリセリルグルコシド + アセチルシステインの相乗効果)により、手触り(柔らかさ)が従来品よりも向上しています。
シスキュア デコルア 1液 リキッドタイプの特徴
サーマルコントロールシステム
シスキュア デコルア 1液 リキッドタイプのアイテムは、こだわりの、僅かな粘性によって、従来のリキッドタイプ(パーマ液、カーリング料)の弱点をカバーし、「サーマルコントロールシステム」を採用することで、さらに使いやすさが加わった新しいカーリング料(化粧品)となっています。
- ソギ等による短い髪のまとまりがよく、ワインディングしやすい(つけ巻き時)。
- 毛髪になじみやすく、乾きにくい。
- 薬液の垂れによる刺激・不快感を低減。
- 35℃以上に加温すると粘度のない(シャボシャボ)状態へと変化。
- 加温による粘度低下とLGLによる均一で効率的な浸透。
水洗がしやすい。
シスキュア デコルア 1液 クリームタイプの特徴
液晶ゲル乳化クリーム
シスキュア デコルア 1液 クリームタイプのアイテムは、クリームタイプの特徴を活かすだけでなく、操作性をUPするための「液晶ゲル乳化クリーム」処方となっています。
また、滑らかさを向上させることで、水洗を容易にしています。
これら相反する機能性を実現させているのは、シスキュア デコルア独自の技術である「ゲル乳化製法」によるものです。
専用2液である理由
システムトリートメント機能
シスキュア デコルア 2液に配合しているシロキクラゲ多糖体は、1液塗布で毛髪表面に広がった成分(カチオン化18MEA)とコンプレックスを形成し、柔軟性のあるベールで毛髪を覆います。
これにより、補給した成分の流出防止と外部刺激から毛髪を保護します。
ラインナップ
シスキュア デコルア 1st
ふんわりしたデザインやボディーパーマを求めるサロン様向け。
- シスキュア デコルア L – 15
ダメージレベル : 5までの髪に
pH : 7.8
アルカリ : 0.5
毛髪軟化成分 : システイン / アセチルシステイン / グアニルシステイン / システアミン - シスキュア デコルア L – 35
ダメージレベル : 4までの髪に
pH : 7.8
アルカリ : 1.0
毛髪軟化成分 : システイン / アセチルシステイン / グアニルシステイン / システアミン
基本パーマプロセスでL – 15を施術する場合は、ダメージレベル4 ~ 5の髪でロッド径の2 ~ 2.5倍のカールサイズが目安です。
大きなロッドでリッジのあるデザインを求める方に。
- シスキュア デコルア L – 50
ダメージレベル : 3までの髪に
pH : 8.4
アルカリ : 3.0
毛髪軟化成分 : システイン / アセチルシステイン / グアニルシステイン / システアミン - シスキュア デコルア L – 65
ダメージレベル : 1 ~ 2の髪に
pH : 8.4
アルカリ : 3.9
毛髪軟化成分 : システイン / アセチルシステイン / グアニルシステイン / システアミン
- 施術時間の短縮をお求めの場合に適します。
- 水巻きで施術される場合に適します。
- メンズパーマ(ノンカラー毛)に適します。
※ダメージレベルが高い部位は、髪を保護(前処理)してからのご使用をお勧めします。
キュアチェンジ(質感チェンジ)メニュー。
クセをのばすのではなく髪のまとまりとおさまりをお求めの場合。
- シスキュア デコルア C – 1.0
ダメージレベル : 5までの髪に
pH : 9.2
アルカリ : 1.0
毛髪軟化成分 : システイン / アセチルシステイン / グアニルシステイン / システアミン - シスキュア デコルア C – 2.0
ダメージレベル : 4までの髪に
pH : 8.4
アルカリ : 1.5
毛髪軟化成分 : システイン / アセチルシステイン / グアニルシステイン / システアミン - シスキュア デコルア C – 3.0
ダメージレベル : 3 ~ 4までの髪に
pH : 8.4
アルカリ : 3.0
毛髪軟化成分 : システイン / アセチルシステイン / グアニルシステイン / システアミン
縮毛矯正やワンランク上のストレート、ホット系パーマメニューをお求めの場合。
- シスキュア デコルア C – 3.5
ダメージレベル : 1の軟毛 ~ 3までの髪に
pH : 8.4
アルカリ : 3.2
毛髪軟化成分 : システイン / アセチルシステイン / グアニルシステイン / システアミン - シスキュア デコルア C – 4.5
ダメージレベル : 1で硬毛 ~ 普通毛に
pH : 9.0
アルカリ : 6.8
毛髪軟化成分 : システイン / アセチルシステイン / グアニルシステイン / システアミン / チオグリコール酸 - シスキュア デコルア C – 5.5[医薬部外品]
ダメージレベル : 1で硬毛の縮毛に
pH : 9.2
アルカリ : 5.8
還元剤 : チオグリコール酸
- C – 5.5は強力タイプです。
カラー毛等のダメージ毛には施術を控え、使用時には十分ご注意ください。 - 高温ホット系ロッドメニューに適します。
特にC – 3.5 / C – 3.0をお勧めします。 - アイロンストレート & カールに適します。
※ダメージレベルが高い部位は、髪を保護(前処理)してからのご使用をお勧めします。